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ホームヘルパー2級が廃止され初任者研修に変わりましたが、何がどう変わったのか知りたいとお考えの方は多いようです。
結論から言うと、初任者研修とホームヘルパー2級には主に5つの違いがあります。
- ・筆記試験がある
- ・実習がない
- ・スクーリングの時間が長い
- ・「認知症の理解」の科目が追加された
- ・訪問介護以外にも対応できる
今回は、これらの違いをひとつずつ詳しく解説いたします。
また「ホームヘルパー2級とは?」「ホームヘルパー2級でできること」「ホームヘルパー2級が初任者研修に変わった理由」「両者の難易度」「あらためて初任者研修を受ける必要はある?」といった内容もあわせて解説しています。
初任者研修とホームヘルパー2級の関係性について知りたい方は、ぜひ最後までお付き合いください。
初任者研修『ホームヘルパー2級との違い』は5つ
2013年度よりホームヘルパー2級は廃止され、初任者研修へ名前が変更されました。
しかし、変わったのは名前だけではありません。
初任者研修がホームヘルパー2級と違う点は主に5つあります。
- ・筆記試験がある
- ・実習がない
- ・スクーリングの時間が長い
- ・「認知症の理解」の科目が追加された
- ・訪問介護以外にも対応できる
筆記試験がある
初任者研修では、カリキュラムの最終日に修了試験が実施されます。
ホームヘルパー2級は定められたカリキュラムを受講すれば資格が取得できたので、受講者にとって大きな違いになるでしょう。
ただし、初任者研修の修了試験は落とすための試験ではなく理解度を確認するための試験なので、きちんと講義を受けていれば修了できます。
実習がない
ホームヘルパー2級は、カリキュラムに訪問介護やデイサービスでの実習が30時間含まれていましたが、初任者研修では実習がなくなりました。
しかし、一部のスクールでは実習をカリキュラムに組み込んでいるところもあるので、初任者研修を受講する際に確認しておきましょう。
スクーリングの時間が長い
初任者研修では通信で学習できる時間に上限が定められており、結果として通学(スクーリング)の時間が長くなりました。
都道府県によって異なりますが、初任者研修の総時間130時間のうち通信で学習できるのは、38~40.5時間までとなっています。
残りの92〜89.5時間はスクーリングによる学習となります。
対してホームヘルパー2級は、総時間130時間のうちスクーリングが72時間、講義は全部で58時間ありますが、52時間までは通信で学習が可能です。
つまり、ホームヘルパー2級のスクーリングは合計78時間となり、初任者研修のスクーリングのほうが長いことになります。
(参考1:厚生労働省「訪問介護員養成研修等」)
(参考2:厚生労働省老健局「介護員養成研修の取扱細則について」)
「認知症の理解」の科目が追加された
初任者研修では、ホームヘルパー2級にはなかった「認知症の理解」という科目が追加されています。
高齢者の増加に比例して認知症の利用者が増えてきた背景もあり、認知症の正しいケアの知識を学習する必要性が高まってきました。
質の高い介護職を養成するために必要不可欠の科目として、初任者研修では認知症ケアを学びます。
訪問介護以外にも対応できる
主に訪問介護を学ぶホームヘルパー2級に対し、初任者研修は特養や老健など様々な施設へ対応できる内容となっています。
今後、高齢者の増加に伴う介護職不足は避けられない状況で、訪問介護以外にも柔軟に対応できる介護職が必要とされる時代になりました。
あらゆる現場で活躍できる即戦力の介護職養成のため、初任者研修は学習内容が拡大されています。
ホームヘルパー2級とは?
ホームヘルパー2級は正式名称を『訪問介護員2級研修課程』といい、訪問介護に携わる介護職の入門的な研修として位置していました。
内容は主に社会福祉の理念や福祉制度といった基礎知識から、訪問介護に関する介護技術や家事援助といった実践的なスキルを学びます。
ホームヘルパー2級でできること
ホームヘルパー2級を修了すると、主に2つの業務が行えるようになります。
- ・生活援助
- ・身体介護
どちらも訪問介護では必須の業務です。
生活援助
利用者に関する家事全般の介助を生活援助といいます。
具体的には調理や洗濯、掃除や買い物、役所の手続きや選挙代行など、利用者が生活するうえで必要な援助をします。
身体介護
利用者の身体に触れる必要のある介助を身体介護といいます。
主に食事や排泄、入浴や更衣、ベッドと車椅子の移乗など、利用者が身体的に必要としている介助を行います。
利用者に怪我をさせてしまうリスクもあるため、正しい知識と技術が必要です。
いつから・なぜ初任者研修に変わった?
2013年度の介護保険法改正により、ホームヘルパー2級が初任者研修に変わりました。
ホームヘルパー2級を廃止して初任者研修に変わった主な理由は、キャリアパスをわかりやすくするためです。
従来はホームヘルパー2級から介護福祉士になる人もいれば、ホームヘルパー1級や介護職員基礎研修を経て介護福祉士になる人もいて、キャリアプランがわかりづらいという問題がありました。
また知識や技術レベルが統一されないと、介護福祉士の質が一定水準を保てない可能性も出てきます。
わかりづらい介護の資格を、初任者研修→実務者研修→介護福祉士→認定介護福祉士とシンプルにして、質の高い介護職を増やすのが目的です。
初任者研修とホームヘルパー2級|難易度の違い
初任者研修とホームヘルパー2級の難易度に大きな差はありません。
実際、介護現場でも両者は同じレベルの資格として認識されています。
ただし、訪問介護の知識を学ぶ内容から全施設に対応した内容へ変わったため、学習内容は広くなりました。
また研修の総時間はどちらも130時間で同じ時間数ですが、初任者研修はスクーリングの時間が長いため実技の授業が多くなります。
基本的に学ぶことは大して変わっていませんが、時代背景に合わせた優秀な介護職員養成のために内容が進化していると認識しておきましょう。
ホームヘルパー2級があれば初任者研修を受講しなくてもOK
「ホームヘルパー2級は持ってるけど初任者研修も取らなきゃダメ?」と不安な人もいるようです。
しかし、特に理由がないのならあらためて初任者研修を受講する必要はありません。
ホームヘルパー2級の資格そのものが剥奪されるわけではないので、今でも保有資格として履歴書に記入できます。
またホームヘルパー2級と初任者研修は同レベルの資格ですので、実務者研修受講の際に免除される時間数も同じです。
あらためて初任者研修を受講する大きなメリットはないでしょう。
次は実務者研修を受けて介護福祉士を目指そう!
初任者研修とホームヘルパー2級の違いを一言でまとめると「訪問介護の学習かどうか」になります。
ホームヘルパー2級から初任者研修に変わったことで、筆記試験が実施されるようになったり、スクーリングの時間が長くなったり、認知症ケアの学習が追加されたりと内容は進化しました。
しかし、ホームヘルパー2級の資格は現在でも有効ですので、ホームヘルパー2級をお持ちの方はあらためて初任者研修を受けなくても大丈夫です。
初任者研修を受けるよりも、次は実務者研修を受けて介護福祉士へのキャリアアップを目指しましょう!
未来ケアカレッジの実務者研修については「介護職員初任者研修」ページにまとめておりますので、ぜひご覧ください。
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