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介護職員初任者研修を受講してしばらくすると、学習の状況を見極めるために、受講者に対してレポート課題が課されます。
これまで学んだ内容をきちんと把握したうえでレポート作成に望むべきですが、その際には参考になる例文のようなものがあったほうが、レポート作成の方向性に迷わずに済むでしょう。
本記事では、初任者研修のレポート課題の例文を掲載するとともに、初任者研修のレポート課題を作成するために理解しておくべき用語や初任者研修のレポートを作成する際の注意点などについて説明します。
初任者研修のレポート課題の例文
初任者研修で提出を求められるレポートには、2種類あります。
1つはお題がテキストにそのまま記載されており、テキストの内容のまま記載して問題ないもの、もう1つは学習した内容・項目について自身の言葉で説明する必要があるものです。
注意が必要なのは後者のレポートであり、具体的な注意点については後ほど説明するとして、最初にレポート課題の例文を以下に掲載しておきます。
テーマは「介護における尊厳・自立支援について」で、尊厳の保持・QOL・ノーマライゼーション・自立支援というキーワードを用いて作成したレポートです。なお、レポートの具体例となっているので表現が言い切り口調になっている点にご留意ください。
「介護を提供する際は、被介護者の尊厳の保持に留意しなければならない。
被介護者は、自助・自立が難しいまたは不可能な弱者であることを、常に念頭に置くべきなのである。
介護サービス提供者は、被介護者の人権を簡単に踏みにじってしまえる立場にあることを、努々忘れてはならない。
また、被介護者にはそれぞれの価値観があるため、尊厳を保持するために留意すべきことが一様ではないということも、念頭に置いておくべきであろう。
被介護者それぞれの価値観を尊重することは、QOLを実現させるために大切である。
そして、QOLの実現を推進することは、ノーマライゼーションのあり方に通じていく。
ノーマライゼーションと一口に言っても、その実現のためには被介護者それぞれが持つ能力や力量を適切に把握して、地域社会にどのような形で参加するかを模索する工程が必要不可欠である。
そして、そのための具体的な施策をもって支援を行うことこそ、本当の意味での自立支援に他ならない。
もちろん、完全な自立は現実的には難しいため、被介護者の現状の力量や能力を最大限に活かす形での社会参加を目指す必要がある。
ノーマライゼーション実現のために制度や仕組みがより充実することを期待しながら、一人の人間としては、目の前の被介護者の方に最大限寄り添っていくことに注力したいと思う。
初任者研修のレポート課題の作成前に理解しておくべき用語
初任者研修のレポート課題を作成するためには、理解しておかなければならない用語がいくつかあります。
ここでは、上述したレポートで用いた4つのキーワードの意味について、説明します。
1. 尊厳の保持
尊厳の保持とは、生きていく上で護られなければならない権利の擁護や、プライバシーを保護することを意味します。
基本的人権の尊重は、日本国憲法でも第13条や第25条で明確にされているほか、世界人権宣言においても明記されています。
2. QOL
QOLとは「Quality Of Life」の略で、「生活の質」を意味します。
「QOLを向上させる」というと、一般的には「生活の質を向上させること」を意味しますが、介護の分野では「その人らしい生活を尊重すること」を意味することが多いです。
3. ノーマライゼーション
ノーマライゼーションとは、「障害の有無に関わらず、すべての人が平等に生活する社会を実現させる」という考え方です。
介護の分野では、「高齢者や障害者が地域社会の中で自身の役割を果たしながら、生活を営めるようにしよう」という考え方を意味します。
4. 自立支援
自立支援とは、「介護を必要としている人に対して、その人の持てる能力や資質を発揮して、地域社会の中で自立していけるように支援すること」を指します。
ただ、現実的には自立がなかなか難しいからこそ支援を受けているという背景もあり、「現状の力や能力を最大限に活かして、過度な助けを必要としない状態」へと持っていけるように支援するという側面もあります。
初任者研修のレポートを作成する際の注意点
初任者研修のレポートを作成する際の注意点としては、主に以下のようなことが挙げられます。
- ・読みやすさを心がける
- ・あいまいな表現を用いない
- ・文章は長すぎず、簡潔にまとめる
読みやすさを心がける
レポートである以上、読みやすいことは大前提です。自身だけが理解できる文章ではなく、「自身が理解している」ということを、レポートを読んだ人にも理解してもらえるような文章を心がけましょう。
あいまいな表現を用いない
レポート中であいまいな表現を用いると、「本当に理解しているのか?」と疑われてしまう可能性があります。なるべく端的で分かりやすい表現や伝え方にすることが大切です。
文章は長すぎず、簡潔にまとめる
さらに、読みやすさに関わる要素でもありますが、一文が長すぎるのはあまり好ましくありません。因果関係が分からなくなってしまったり、それが故に途中で読み進めるのを止められてしまったりする可能性があります。
テーマに関連する介護用語の理解を掘り下げることも大切
初任者研修のレポート課題では、学習内容をしっかり理解できているかが問われます。
テーマに関係する介護用語は、意味を押さえておくのはもちろん、理解を掘り下げておくことも大切です。
そのため、レポートの作成時は、まずは介護用語の具体例をメモすることから始めるとよいでしょう。
例えばQOLであれば、「買い物を含めた外出の機会を増やす工夫」、「施設内でのレクリエーション」などが挙げられます。
掘り下げた情報を活用して自身の言葉で簡潔にまとめ上げれば、より説得性のあるレポートになるでしょう。
初任者研修のレポート作成に悩む場合は、介護士の専門スクールに通うことも検討してみよう
初任者研修のレポートの課題には、テキストの内容をそのまま記載して問題ないものと、学習した内容・項目について自身の言葉で説明する必要があるものの、2種類があります。
とくに後者に関しては、レポートを作成する際に用いる用語などの意味もきちんと把握しておかなければ、研修をクリアするために十分なレポートを作成できません。
今回掲載させていただいた例文なども参考にしていただきながら、自身の言葉でレポート作成を行えるように、きちんと理解することを心がけましょう。
どうしても自身ひとりの力ではレポートの作成が難しいという場合は、介護士の専門スクールに通うこともひとつの方法です。
レポート作成のみならず、さまざまな点でサポートを受けることができるでしょう。
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