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「ケアマネジャーってどんな資格?」「どうやったらケアマネジャーの資格が取れるの?」とお悩みの方も多いようです。
ケアマネジャーとは、介護の上級資格で、総合的なマネジメントを担う重要なポジションです。
ケアマネジャー試験の受験資格を得るためには、豊富な実務経験が必要になります。
難易度の高い試験に合格したあとも、実務研修を受けなければなりません。
今回は『ケアマネジャーはどんな資格?』『ケアマネジャーの資格を取る方法』『ケアマネジャーの受験資格』などについて解説していきます。
この記事を読めば、ケアマネジャーの資格を取るまでの具体的な道筋がわかります。
ケアマネジャー(介護支援専門員)はどんな資格?
ケアマネジャーとは、高齢者や家族の対応から、医療や介護サービス事業者への連絡・調整まで、介護の総合的なマネジメント業務を担う資格です。
ケアマネジャーは介護保険法の施行に伴い作られた資格で、正式名称を『介護支援専門員』といいます。
国家資格ではありませんが、介護の上級的な資格として広く認知されています。
ケアマネジャーの主たる仕事は、介護を必要としている高齢者や家族の相談を受け、もっとも適した介護が受けられるサービスを提案することです。
そのため、介護保険制度の知識や高齢者とのコミュニケーション能力など、幅広いスキルが必要です。
また、ケアマネジャーの仕事内容は、介護施設や地域包括支援センターなど働く場所により異なります。
ちなみに『ケアマネージャー』ではなく『ケアマネジャー』と表記することが多いのは、厚生労働省の表記に準じているためです。
一般的には『ケアマネージャー』『ケアマネ』と呼ばれています。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を取る方法
ケアマネジャーの資格取得の流れは、次の3ステップです。
- ・介護支援専門員試験に合格
- ・介護支援専門員実務研修を修了
- ・資格登録
ひとつずつ解説していきます。
介護支援専門員試験に合格
ケアマネジャーの資格を取得するためには、まずケアマネジャーの試験に合格しなければなりません
ケアマネジャーの試験は、正式名称を『介護支援専門員実務研修試験』といいます。
介護支援専門員試験は毎年10月頃に行われるため、6〜8月には受験申し込みをしましょう。
試験は『五肢複択』のマークシート方式による筆記試験です。
五肢複択とは、5つの選択肢から正解を複数回答する形式を指します。
介護福祉士国家試験のような、5つの選択肢から1つの正解を回答する『五肢択一』とは異なるので注意しましょう。
出題範囲と問題数は次のとおりです。
- ・介護支援分野:25問
- ・保健医療福祉サービス分野:35問
介護支援分野では、介護保険制度・要介護認定・サービス計画の基礎知識が問われます。
保健医療福祉サービス分野では、保健医療サービスや福祉サービスの知識が出題されます。
試験時間は、原則10〜12時の120分です。
参考:厚生労働省『都道府県介護支援専門員実務研修受講試験実施要領』
介護支援専門員実務研修を修了
介護支援専門員試験に合格しただけではケアマネジャーになれません。
試験合格後には、介護支援専門員実務研修を修了する必要があります。
介護支援専門員実務研修とは?
介護支援専門員実務研修とは、都道府県または都道府県知事が指定した研修実施機関が実施するケアマネジャーの実務研修です。
研修内容は、ケアプランの作成やモニタリングの実施、さらには医療にかかわる基礎知識までケアマネジャーに必要なスキルを学びます。
カリキュラムは厚生労働省が定めており、合計87時間の講義と演習が実施されます。
参考:厚生労働省『介護支援専門員実務研修ガイドライン』
資格登録
実務研修を修了したら、次は都道府県知事へ資格の登録を申請します。
介護支援専門員証が交付されれば、晴れてケアマネジャーとして働けるようになります。
ただし、ケアマネジャーの資格には5年の有効期限があるので注意しましょう。
有効期限を更新する場合は、更新研修を受けなければなりません。
更新研修を受けないと介護支援専門員証が失効し、ケアマネジャーとして働けなくなってしまいます。
もし失効してしまった場合でも、更新研修を受ければ介護支援専門員証が再交付されます。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格
介護支援専門員試験の受験資格は、次のいずれかの業務において5年以上かつ900日以上の実務経験があることです。
- ・国家資格における業務
- ・相談援助業務
それぞれ、詳しく解説していきましょう。
国家資格における業務
介護支援専門員試験の受験資格を得るためには、下記の資格業務において5年以上かつ900日以上の実務経験が必要です。
- ・医師
- ・歯科医師
- ・薬剤師
- ・保健師
- ・助産師
- ・看護師
- ・准看護師
- ・理学療法士
- ・作業療法士
- ・社会福祉士
- ・介護福祉士
- ・視能訓練士
- ・義肢装具士
- ・歯科衛生士
- ・言語聴覚士
- ・あん摩マッサージ指圧師
- ・はり師、きゅう師
- ・柔道整復師
- ・栄養士(管理栄養士含む)
- ・精神保健福祉士
実務経験とは『資格登録日以降』の期間を指す点に注意しましょう。
また、営業や事務といった対人援助以外の業務は、実務経験にはなりません。
相談援助業務
次に挙げる相談業務を5年以上かつ900日以上経験している場合も、介護支援専門員試験の受験要件を満たします。
- ・生活相談員
- ・支援相談員
- ・相談支援専門員
- ・主任相談支援員
特別養護老人ホームの生活相談員や、介護老人保健施設の支援相談員などの実務経験が必要になります。
また、試験前日までの日数が条件を満たす場合は『見込み』として申し込みが可能です。
その場合は、実務経験見込証明書を添えて申し込みしましょう。
参考:東京都福祉保健財団『令和5年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験』
ケアマネの資格は廃止になった?!
ネット上ではケアマネジャーの資格が廃止になったという話題を見かけるため、不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
しかし、現時点ではケアマネジャーの資格が廃止になるという公式な発表はないので安心してください。
このような話題が生まれた理由として、2つの要因が考えられます。
- ケアマネジャーの資質向上のため受験資格が厳しくなり、結果として合格率が低くなった
- 介護保険法の改定で、令和9年4月1日より居宅介護支援事業所の管理者は、主任介護支援専門員のみとなる
これらの理由により、ケアマネジャーの将来に不安を感じる方が多くなり「ケアマネの資格が廃止になる」という噂が流れたと推測されます。
参考:厚生労働省 老健局振興課『介護保険最新情報』
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では、今回のまとめです。
ケアマネジャーとは、国家資格ではありませんが幅広い知識と豊富な経験が必要な介護の上級資格です。
ケアマネジャーの試験を受験するためには、国家資格における業務か相談援助業務の実務経験が必要になります。
難易度の高い試験に合格し、さらに実務研修の修了と資格登録を経て、ようやくケアマネジャーとして働けるようになります。
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